冠木門
冠木門
母屋
母屋
蔵ガルリ さわらび
蔵ガルリ さわらび
筑波石垣
筑波石垣

游美舎 ひたちのくにのいえ。その建築の力、空間の力、場の力。

この場とのご神縁の如き軌跡を、生かしてまいる所存です。

游美舎近く、恋瀬川畔から紫峰・筑波山を望む
游美舎近く、恋瀬川畔から紫峰・筑波山を望む

主宰者の横顔

田中壽幸/茨城県生まれ。平成15年(2003)ー令和元年(2019)ギャルリさわらび、令和元年ー銀座ウミモリソラ主宰(共に東京銀座)。游美舎(令和元年ー)舎主。京都芸術大学芸術学部(歴史遺産)卒業。平成23年(2011)、水戸で東日本大震災に遭い重傷を負うも、生かされている生命と使命を強く再認識する。令和元年の新展開は、新文明(新縄文文明とも言える文明)到来を見据えたもの(平成31年、鹿島神宮にて游美舎祈祷祭)。これまでに、「生誕一〇〇年 櫻井陽司展」、「垂直の芳香 東千賀展」、「影/顕現 安彦講平―路上のまなざし 」展、「秘展―垂直ノ存在社」、「烽(とぶひ) 憂国のアート、至誠のアート 彫刻家 佐々木誠」展、「桜川・真壁のひなまつり特別展 画家 櫻井陽司+写真家 藤森武」、「―角力国家ノ元気ヲ養フ― 日本画と力士像 木村浩之展」、「戸田均展 地振り、風形、雷水解」、「たまふり」展、「綾部好男展 祭り魂―浄らかなるくらやみ」、「まつりのたましひ展(於 常陸国総社宮)」、「ギャルリさわらび開廊15周年記念展 不合理ゆえにわれ信ず」、「光は東方―ひたちのくに―から 佐々木誠+綾部好男」、「石岡が生んだ幕末随一の歌人、志士 佐久良東雄(協力/石岡市教育委員会)」など、独自の視点による企画展を開催。

 

(平成26年3月11日記す 於ギャルリさわらび「秘展―垂直ノ存在社」フライヤーより)

「秘展」と題された展覧会は、ギャルリさわらびにて平成15年(2003)及び21年(2009)の過去2回開催されました。この展覧会の題辞は、世阿弥の「秘すれば花」から採りましたが、本展では其処に「垂直ノ存在社」という言葉を添えました。

 

《歴史や神話、霊性、天地自然の悠久、死を想い死者達を想い、ふるさとを想い、生まれ来る者たち・・、そして夢を追い・・、其の垂直軸に、現実の人間世界が横溢する水平線が交叉する。目に見えるものの奥に秘む、見えざる垂直の存在。その交点に顕現する今この瞬間の生命。アルベルト・ジャコメッティの彫刻の垂直の屹立の崇高。アンドレ・マルローは那智滝や伊勢の古木に、メルロ・ポンティはセザンヌの絵画に垂直の存在を見、或いは、深源から上昇してくるものの更なる上方への導き・・芸術家はその仲介者と語ったパウル・クレー。芭蕉は、西行・宗祇・雪舟・利休に貫道するものは一なり、とした、その一筋の道。山中高木の狭間に独り立つ山櫻が、掌を広げるように梢を高く伸ばす清麗高雅にして剛毅な姿を想います。志高清遠。垂直に生きることで初めて、私共は今ここに在り、現実を見、真に死すことが出来るのではないか。其処から産み落とされる美が結ぶ垂直、永遠。「もっと遠くへ・・(ファン・ゴッホ)」。垂直ノ存在社。このやしろは、こもりく(隠国)の杜に在り、時が来れば早蕨(さわらび)のきざしの如くに顕現する。

 

※ 隠国も早蕨も万葉集に見ることができます。隠国は枕詞に使われ、隠れたる山々のこころの故里という印象です。早蕨は春の到来を告げる歓喜の象徴。伯夷・叔斉の故事や源氏物語などでは悲しみの象徴としても用いられ、早蕨という言葉には、いわば喜びとかなしみが同居しています。》

 

見えるものの奥に秘された見えざる存在が、私共の今を生かしてくれています。秘されし隠されし「花」が顕現する時、その花の香とは如何に・・。